相馬野馬追始まる 出場条件の撤廃受け、20歳以上の女性8人も参加

2025/05/24 20:11 

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 1000年以上の歴史を持つ福島県沿岸部・相馬地方の国重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」が24日、開幕した。よろいかぶと姿の騎馬武者たちが勇壮な戦国絵巻を繰り広げる人気の行事だが、今回から女性にのみ設けられた「未婚の20歳未満」との出場条件が撤廃された。今回、女性は過去最多の40人が参加し、うち20歳以上は8人だった。この日、相馬市などであった武者行列では、沿道の観客から「がんばれ」などと温かい声援が寄せられた。

 この日午前、相馬市の相馬中村神社で出陣式があった。よろいを身に着けた出場者を前に、一帯を治めた旧中村藩主・相馬家の子孫で「総大将」を務める相馬言胤(としたね)さん(16)が「威風堂々と進軍してほしい」と訓示。その後、出場者と共に街路を練り歩いた。

 武者行列には「未婚の20歳未満」との出場条件の撤廃を受け、初出場した相馬市職員の上原彩乃さん(31)の姿も。終了後「普段見慣れた町も馬上からでは違って見えた。沿道の人の声援で緊張もほぐれた」と爽やかに笑った。相馬野馬追は少子高齢化と原発事故の影響で担い手不足が課題に。上原さんは「私の姿を見て出場したいと思ってくれる若い人、女性がいたらうれしい」と話していた。【田倉直彦】

毎日新聞

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