大の里も「人の子」か 自己新14勝目も、悪癖出る 大相撲

2025/05/24 21:15 

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 ◇大相撲夏場所14日目(24日、東京・両国国技館)

 ◇○大の里 押し出し 大栄翔●

 記録的なスピード出世を遂げてきた大関も「人の子」か。13日目に優勝を決め、横綱昇進を確実にした大の里。一夜明けた一番で勝ち星は自己最多の「14」に伸ばしたが、悪い癖も出た。

 大栄翔には前回までの対戦成績は6勝1敗と合口はいいはずだった。その相手の低い当たりに、わずかにはたいてしまい、大栄翔を呼び込みかけた。

 ここからが「最速昇進」を果たしてきた大関の勢いか。大の里は一気に出てきた相手を右に動いていなした。これで崩れた大栄翔を、飛び込むようにもろ手で押し出した。

 「土俵際はめちゃくちゃだったけど、相手を見て、攻め切れてよかった」。大の里は前日までと表情を変えずに振り返った。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「最初のはたきは相手を呼び込むはたき。危なかった」。今場所は減りはしたが、苦しくなると引きやはたきが出る大の里の悪癖を指摘した。

 土俵下で勝負を見つめた九重審判長(元大関・千代大海)も「大の里はうまくさばいたが、大栄翔が考えていた相撲だった」。自らも押し相撲で賜杯を3回抱いた元大関は「押し相撲の相手への相撲の作り方が課題」と口にした。

 とはいえ、大関昇進を決めた昨年9月の秋場所の13勝を塗りかえる14勝目を手にし、千秋楽は豊昇龍と対戦する。

 豊昇龍が横綱に昇進してから初の手合わせに、大の里は「集中し直してやる」。12勝目を狙う横綱と全勝に挑む大関の一番は、角界の今後も占う。【飯山太郎】

毎日新聞

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