小泉農相、備蓄米2000円に改めて意欲 「異常な高騰抑え込む」

2025/05/24 18:47 

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 小泉進次郎農相は24日、札幌市内の講演で最近のコメ価格に触れ「2000円の備蓄米を入れ、異常な(コメ価格の)高騰を抑え込んでいきたい」と述べた。政府備蓄米の放出について、価格が高止まりする従来の一般競争入札から、政府が安い価格を設定して売り渡す随意契約に変更。6月初旬をめどに5キロ2000円の備蓄米をスーパーなどの小売店に並べることに意欲を示した。

 講演の前にコメ生産者らと面会し「コメの異常な高騰をこれ以上続けていたら、コメ離れを加速させかねない」などと話し、随意契約による備蓄米放出に理解を求めた。

 小泉氏は23日のNHK番組などで、備蓄米を5キロ2000円で店頭に置く方針を示した。随意契約の売り渡し先は1万トン以上のコメを扱える大手小売りを中心に50社程度を見込む。国が業者に売り渡す価格は60キロで1万円余りを想定する。放出量はまず30万トンとし、その後も必要があれば無制限で出すとした。備蓄米を地方に輸送する費用を国が負担し、店頭価格の上昇を招かないようにする。

 これまでの入札では放出したコメと同量を政府が買い戻すことを条件にしてきたが、今回はその条件をつけず、幅広い小売業者が参加できるように促す。26日に事業者向けの説明会を開き、こうした方針や売り渡しの方法について伝える。

 コメ価格を巡っては、石破茂首相が21日の党首討論で「コメは(5キロ)3000円台でなければならない」などと発言した。それを受け、小泉氏は23日午前の閣議後記者会見で「(5キロ)2000円台で店頭に並ぶような形で出していく」と表明。同日夜には「店頭の棚に(5キロ)2000円で並べる」とさらに踏み込んだ。

 今月5~11日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は前週より54円高い4268円で最高値を更新している。【片野裕之、後藤佳怜、中津川甫】

毎日新聞

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