年金改革法案、今国会で成立の見通し 「底上げ案」復活へ

2025/05/24 11:29 

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 自民、公明両党と立憲民主党の3党による年金制度改革関連法案の修正協議を巡り、自民は、立憲が示した「基礎年金底上げ案」を盛り込んだ修正案を受け入れる方針を固めた。複数の党関係者が24日明らかにした。底上げ案を法案の付則に盛り込む方向で調整している。これを受けて関連法案は月内にも衆院を通過し、今国会で成立する見通しとなった。

 立憲の底上げ案は、比較的財政が安定している厚生年金の積立金を活用し、将来、就職氷河期世代以降を中心に、3割下がると見込まれる基礎年金の給付水準を底上げする。厚生年金の受給額が一時的に減るため、影響緩和策を講じることも規定した。

 政府は当初、底上げ案を含む法案の提出を検討していた。だが、厚生年金の受給額が一時的に目減りすることや、将来的に兆単位の国費が必要になるといった課題があり、夏の参院選での争点化を避けたい自民の反発を受け、これらを事実上削除した法案を国会に提出していた。

 野党は、改革の柱が削除された法案を「あんこのないあんパン」と批判し、22日から自公立3党による修正協議が始まっていた。

 立憲の野田佳彦代表は24日、修正協議について「ほぼ合意の方向だ。成案を得て、来週末には衆院通過という運びに持ってきたい」と千葉県船橋市で記者団に述べた。【高橋祐貴、宇多川はるか】

毎日新聞

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