米国、シリア制裁緩和 「新たな関係への一歩」経済再建後押しが狙い

2025/05/24 16:10 

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 トランプ米政権は23日、シリアに対する制裁の一部を解除したと発表した。シリアの政府機関や中央銀行、民間の金融機関、企業などが米側と取引できるようになる。トランプ大統領はシリアへの全面的な制裁解除を表明しており、今回が第1弾となる。制裁の緩和でシリアの経済再建を後押しし、安定化につなげる狙いがある。

 発表によると、外国企業が電気、エネルギーなどを供給することに関する制裁も180日間免除する。ルビオ国務長官は声明で、制裁緩和が「シリアと米国の新たな関係構築に向けた最初の一歩だ」と強調。暫定政権による対テロ対策やシリア国内で続く宗派対立への対応を念頭に「トランプ氏は優先的な重要な政策について速やかに行動することを期待している」と述べた。

 シリアでは親イランのアサド政権が昨年12月、反体制派「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)に打倒され、HTSを率いていたシャラア氏が暫定大統領に就任した。トランプ氏は13日に訪問先のサウジアラビアで、暫定政権を支援するサウジアラビアとトルコの要請を受ける形で、制裁解除の意向を表明。翌14日にはシャラア氏と初めて会談した。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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