ロシアとウクライナ、大規模捕虜交換を開始 協議合意を履行

2025/05/24 09:42 

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 ロシアとウクライナは23日、トルコで16日に開かれた直接協議で合意した1000人ずつの捕虜交換を開始したと発表した。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、最大規模となる。この日は双方で390人ずつの捕虜を交換した。今後数日間にわたって、段階的に交換を進めるとしている。

 露国防省によると、今回はそれぞれ軍関係者270人と民間人120人を交換した。ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、通信アプリに「最も重要なのは、交換が実際に行われたということだ。ロシアに拘束されている全てのウクライナ人を解放しなければならない」と投稿した。

 16日の直接協議では捕虜交換に合意したものの、ほかに大きな成果はなく、核心となる停戦合意については双方の溝が埋まらなかった。トランプ米大統領は23日、捕虜交換の実施を受けて交流サイト(SNS)に「何か大きなことにつながるかもしれない」と投稿し、今後の展開を注視する姿勢を示した。

 ウクライナのイエルマーク大統領府長官は21日、北欧などの外交関係者らとの会合で、捕虜交換に続く次のステップは次回協議の開催地を決めることだとの考えを明らかにした。一方、ラブロフ露外相も23日、報道陣に対し「捕虜交換が終わり次第、露側の(停戦に向けた見解を示す)文書案をウクライナ側に提示する用意がある」と述べ、次回協議への前向きな態度を示した。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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