万博の大屋根「リング」、23日までに「原形」の保存方法を議論

2025/06/03 20:29 

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 大阪・関西万博の大屋根「リング」(1周約2キロ)の閉幕後の活用について、国、大阪府と大阪市、経済界の代表者らが3日、同市内で会合を開き、北東側の約200メートルについて原形に近い形で一部保存する方向性を確認した。実現しなかった場合の代案として、府と市は南側の約350メートルを保存する案も提示した。管理主体など詳細について、23日に開催予定の日本国際博覧会協会(万博協会)の理事会までに議論する。

 府と市によると、万博会場の北側の跡地開発について、府と市は2025年度中に民間事業者の募集を開始する。その際に、リングの北東側約200メートルについて、原形に近い形で活用する計画も含めて提案を求める。ただ、民間事業者が費用を負担する前提となっており、この案が採用されない可能性がある。

 一方、会場南側の跡地開発についてはスケジュールが決まっておらず、府と市はリング南側の約350メートルをいったん10年ほど保存し、屋根に上がれるようにするイメージを描く。万博会場内の「ウオータープラザ」を埋め立て、イベント広場などとして活用することも検討する。リングの保存や維持にかかる費用や管理主体については未定で、関係者間で協議を進める考え。

 府と市はリングの一部を恒久的に残したい考えで、北東側の保存が決まれば、南側は解体するとしている。

 万博協会は、リングの北東側の保存は望ましいとの意見を示した。その一方、南側については、23日の理事会までに、大阪市を念頭に管理主体を決めるよう求めた。これまでは解体を前提にしており、契約を変更する必要があるためだとしている。費用についても、現時点では会場建設費や運営費を充てる判断はできないとの見解を示した。【鈴木拓也、長沼辰哉、新宮達】

毎日新聞

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