大王墓級の貴重な古墳 「大塚山古墳群」ついに整備始動へ 奈良
奈良県河合町は、古墳8基で構成される「史跡大塚山古墳群」(同町川合など)の整備基本計画を策定した。古墳群最大の前方後円墳・大塚山古墳(5世紀後半、墳丘長197メートル)に関しては、墳丘部を古墳保存整備ゾーン、墳丘を囲む周濠(しゅうごう)を交流広場ゾーンとし、案内板や休憩施設の整備なども盛り込んだ。「大王墓級」の古墳の大きさが体感できる全国でも貴重な場の整備が、1956年の国史跡指定から約70年を経てようやく動き始める。
古墳群は町北東部の大和川など河川の合流地点近くで、奈良盆地の水運の拠点として発展した地域にある。町は史跡を次世代にきちんと引き継ごうと、保存活用計画を2022年度に策定。その後、整備基本計画づくりを進めた。計画では、史跡を確実に保存し、自然環境も生かして憩いの空間にする方針などを掲げた。
古墳群の中で最大の大塚山古墳は県内でも有数の大型前方後円墳で、他の同名古墳と区別するため「川合大塚山古墳」とも呼ばれる。被葬者は水運を掌握していた当時の有力者とみられる。北葛城郡4町共同の取り組みで、古墳などを巡って「御墳印(ごふんいん)」を集めてもらうプロジェクトの対象にもなっている。
20年には、墳丘から円筒埴輪(はにわ)が掘り出され、一時行方不明となる“事件”が発生し、世間を驚かせた。町は墳丘への立ち入りを一時禁止し、啓発看板を設置した。後に戻された埴輪に3隻の舟を描いたとみられる線刻が確認され、地域性をうかがわせる貴重な発見となった。
基本計画で「古墳保存整備ゾーン」と位置付けた墳丘は現在、竹など樹木が生い茂っている。竹をできる限り伐採し、他の樹木も見学に支障がないように間伐する。見学者用の園路を整備し、園路以外の区域への立ち入りは制限する方向だ。また、後世に土が削られて変形した場所があり、元の形への復帰を目指す。
周濠については、来訪者が自由に利用できる「交流広場ゾーン」とし、広場として整備する。かつて田んぼとして使われ、水はけが悪いため、盛り土によるかさ上げが必要となる。
また、古墳の南側は公開・活用ゾーンとして休憩施設や説明板を設置。古墳の大きさを実感できる模型制作も盛り込んでいる。
計画では整備スケジュールも示した。大塚山古墳に関しては32年度の整備完了とし、他の7基はその後に検討する。しかし、町の財政状況は厳しく、国の補助金がどの程度見込めるかなど不確定要素も多く、町の担当者は「実際の整備時期はなかなか見通せない」としている。【熊谷仁志】
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