兵庫知事、情報漏えいの指示を再否定 元総務部長の告発はしない方針

2025/06/04 18:03 

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 斎藤元彦・兵庫県知事らを内部告発した元県幹部(故人)の私的情報が漏えいした問題を巡り、斎藤氏は4日の定例記者会見で、県議に情報を漏らしたとして懲戒処分された元県総務部長の井ノ本知明氏について「刑事告発はしない。処分で社会的制裁を受けている」と述べた。

 私的情報は元県西播磨県民局長の公用パソコンに保存されていた。県は元総務部長がこの情報を県議3人に漏らしたと認定したが、刑事告発を見送った。「事実解明が必要」とする自民党など県議会の主要4会派は地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで告発するよう県に求めていた。

 斎藤氏は4日の会見で、元総務部長の漏えいについて「適切でなかった」としたが、告発しない考えを強調した。自身の関与を巡っては「漏えいを指示したことはないし、そう受け取れる発言もしていない」と改めて否定した。

 一方で、情報が適正に管理できていなかった責任を強く感じていると述べ、給与減額が必要と判断したと説明。30%カットしている給与をさらに20%減額する条例改正案は、早ければ6日に議会提案する意向を明らかにした。

 一連の漏えい問題の責任の取り方として、議会からは「給与カットでは不十分だ」とする声が上がっている。斎藤氏は「50%の減額で身を処した。引き続きご理解いただきたい」と述べるにとどまった。元総務部長は懲戒処分に不服を申し立てる意向を示している。【稲生陽、山田麻未、栗田亨】

毎日新聞

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