長崎原爆死没者名簿の「筆耕」始まる 記名は今年で20万人超に

2025/06/05 11:01 

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 長崎原爆の犠牲者の名前を原爆死没者名簿に書き加える「筆耕(ひっこう)」が5日、長崎市役所で始まった。約2カ月間続き、名簿は長崎原爆の日(8月9日)の平和祈念式典で奉安される。

 筆耕は1968年に始まり、2024年8月9日現在、203冊の名簿(うち1冊は無記名)に19万8890人の名前が記されている。今回は24年8月1日以降、新たに判明した死没者約3300人分(名簿3冊分)を記す。

 02年から担当する同市の書道講師で被爆2世の森田孝子さん(77)が今年も筆を執った。名簿に名前と死亡日、死没時の年齢を丁寧に書き、「今年で被爆80年を迎える中、多くの被爆者の方が亡くなられて、継承の大切さを、筆耕を重ねるごとに感じている。高齢の方から赤ちゃんまで、新たに判明した方のご冥福をお祈りしながら心を込めて書いていきたい」と話した。【尾形有菜】

毎日新聞

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