大川原冤罪 警視庁の検証踏まえ、警察庁が再発防止策とりまとめへ

2025/06/12 13:49 

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 化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件を巡り、警視庁と東京地検の捜査を違法と認定した東京高裁判決が確定したことを受け、警察庁の楠芳伸長官は12日の定例記者会見で「原告をはじめとする当事者に多大なるご心労、ご負担をおかけし、国民の信頼を損ねたことは極めて遺憾であり、警察庁としても重く受け止めている」と述べた。

 楠長官は「警察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、今後、公安部門の捜査において、二度とこのようなことのないようにする必要があると考えている」と言及。警視庁が検証チームを設置して実施する捜査の検証に対して、警察庁で必要な監督をし、結果を踏まえて捜査上の留意点や再発防止策を取りまとめ、全国の警察への指導を強化する考えを示した。

 警察庁は最高裁への上告を断念した11日、全国の警察に対し、緻密かつ適正な捜査を徹底するよう通達を出した。この通達について楠長官は「個々の捜査員のみならず、捜査指揮にあたる幹部に対しても改めて徹底するように通達を出して指示した」と述べた。【山崎征克】

毎日新聞

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