「県警に内部情報漏らした」 町が職員を懲戒処分 熊本・玉東

2025/06/12 20:55 

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 熊本県玉東町が同県警に内部情報を漏らした守秘義務違反を理由に30代の男性主事を懲戒処分にしていたことが判明した。町が12日に明らかにした。主事は「捜査に協力したが、どのような情報を流したのか分からない」などと話し、内部審査機関も違反を認定しなかったが前田移津行町長が「内部統制をするために適切な処分だった」と処分を決めた。

 町によると、町役場の新庁舎とJR木葉駅前に町が建設したマンションを巡り、熊本県警が官製談合防止法違反の疑いで6人の町職員に事情を聴いた。このうち処分を受けた主事が内部情報を県警に漏らしたことが判明し、5月に減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。

 町は県警側が公表前の入札情報を知っていたり、前田町長の発言内容を把握していたりしたことから主事を調査。内部でつくる委員会は「守秘義務違反の事実確認ができなかった」と答申し違反を認定しなかったが、最終的に前田町長の判断で懲戒処分にした。

 町は「捜査では結果的に何もなかった」としている。前田町長は12日、報道陣の取材に「上司に相談もせずに資料を渡すなど公益通報には当たらないと考えている」と述べた。熊本県警は「個別の事案に関してはコメントを差し控える」とコメントした。【野呂賢治】

毎日新聞

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