備蓄米、コンビニ流通網で「翌日には全国に」 社長らが農相に直談判

2025/06/13 19:53 

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 コンビニエンスストアなど大手小売業者の社長らが13日、小泉進次郎農相と面会し、政府備蓄米の流通の課題と提言を伝えた。複数の会社から、8月末までとなっている随意契約の備蓄米の販売期限について、9月以降も販売できるよう延長を求める要望があった。備蓄米の精米作業が逼迫(ひっぱく)していることや物流面などの課題があるという。

 面会では、小泉氏の就任後、備蓄米の売り渡しがこれまでの一般競争入札から小売業者を対象にする随意契約に変更され、一部のスーパーやコンビニの店頭にはいち早く備蓄米を並べられたことが小売り側から報告された。ただ、備蓄米の流通量は依然として地域によって偏りが生じている。

 そのためローソンの竹増貞信社長は、地方にはコンビニの店舗が多くあるとし、「我々コンビニは(災害など)危機の時は常に、真っ先に店を開けて物資を供給している」と説明。全国各地にある拠点まで精米された備蓄米が届けば「翌日には全国の全店、全地域に物が流れる。こういう国は日本しかないと思う。(今後の緊急時は)コンビニの流通網を一括して使って」と小泉氏に直談判した。

 また、各社とも備蓄米が玄米で大量に売り渡されるため、精米の依頼が殺到し、スムーズに進まない問題があると指摘した。店頭で大量に販売できない原因だとして「精米の能力拡大が一番大事」(スーパー大手のライフコーポレーションの岩崎高治社長)などと訴えた。

 一方、小泉氏は各社の社長らに対し、コメの不足感から米価高騰が生じてることを受け、おにぎりなど米飯類の廃棄を最小限にするよう強く求めた。【中津川甫】

毎日新聞

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