虐待発覚の認定こども園 第三者委設置で栃木市議会が陳情採択

2025/06/17 21:06 

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 園児への虐待が昨年発覚した栃木市都賀町の認定こども園「都賀幼稚園」(大塚英人園長)を巡り、同市議会民生常任委員会は17日、園の保育実態を究明する第三者委員会の設置などを求めた市民団体の陳情を採択した。陳情が提出された3月定例会では、委員会、本会議とも1票差で「継続審査」を決めたが、この日の委員会審査では、6委員全員が採択に賛成した。6月定例会最終日の25日の本会議で、委員長報告について採決される。

 陳情は「都賀幼稚園の被害者を救う会」(大塚友義会長)=現都賀幼稚園問題を考える会=が2月5日に提出した。園の体質や発覚した事案以外の不適切保育の実態について調査する「第三者委員会」の設置や迅速かつ真摯(しんし)な調査を市議会として市に求めることを要望している。

 3月定例会の委員会審査では、元職員らによる意見陳述などを経て採決した結果、採択と継続審査が同数となり、委員長決裁で継続審査と決めた。持ち越しとなったこの日の審査では、継続審査を主張した委員から「第三者委員会が有効か疑問」「市は設置が難しいとの見解」などの指摘があったが、委員会として意見書をまとめることを確認し、いずれも採択に回った。

 陳情が本会議で議決されれば市に送付し、結果の報告を求める。意見書案は正副議長が素案を作り、会期中の常任委研究会で協議する予定。

 第三者委について、園は設置しない方針を明確にしている。市も「十分な調査権限を持たせるのは難しい」と消極姿勢で、代替案として園と行政、保護者や有識者で構成する「運営協議会」の設置を検討している。【太田穣】

毎日新聞

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