パンダと岸和田の竹 「食べてくれてありがとう」返還で提供区切り
和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で飼育されているジャイアントパンダ。好物の竹が大阪府岸和田市内の竹林から提供されるようになってから20年となった。パンダは岸和田の竹林の環境保全にも一役買ってきたが、28日に中国へ返還され、提供は区切りを迎える。協力を深めてきた市と施設は今後、新たな関係を模索する。
約250キロの竹を載せた保冷車が週2回、岸和田市から白浜町に運ばれる。アドベンチャーワールドを運営するアワーズ(大阪府松原市)によると、竹の量は年間24トンに上る。パンダに適した新鮮な竹の調達先を全国各地で探し、2005年に岸和田市内で伐採を始めた。他に京都府や静岡県などからも調達しているが、“岸和田産”の竹は大好物で、全体の約4割を占める。竹の提供は無償で、伐採の人件費や運送費はアワーズ社が負担している。
岸和田市の里山は再開発計画の頓挫や所有者の高齢化、ミカン農家の減少などの影響で、放置竹林の広がりが課題になっており、パンダの食料として竹を伐採することで環境保全につながっていた。
同市とアワーズ社は20年から、有効資源として竹の再利用に取り組む「パンダバンブープロジェクト」を開始。22年には環境教育の推進などを目的に、白浜町を加えた3者で広域包括連携協定を結んだ。24年は地域住民も協力し、竹を伐採してアドベンチャーワールドに運び、5000本を使った高さ15メートルの巨大なアート作品を制作して展示した。
パンダの返還を受け、岸和田市は4日、「竹をたくさん食べてくれてありがとう」と書かれた長さ10メートルの懸垂幕を市役所に掲げた。市公園緑地課は「竹林の荒廃を防ぐだけでなく、資源循環や地域活性化に大いに寄与してきた」と説明する。
市はアワーズ社などと協力し、今後もパンダバンブープロジェクトを続ける。7月に竹でアオリイカの産卵床をつくり、岸和田漁港の沖合に沈める。滋賀県立大の学生らの協力を得て竹の茶室を制作し、9月に大阪・関西万博の会場に展示する。10月には市内で竹を組み立てた流しそうめんを実施し、長さのギネス世界記録に挑戦する。
同市の佐野英利市長は記者会見で「岸和田を盛り上げることになり、変えずにやっていきたい」と述べた。アワーズ社は「20年間にわたる協力関係は、地域との信頼と環境共生の象徴的な取り組みになった。これまで育まれてきたパートナーシップを大切にし、今後も持続可能な地域貢献の形を模索していく」とコメントした。【中村宰和】
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