拉致問題、若い世代に知ってほしい 曽我ひとみさんが短大で講演

2025/06/22 05:30 

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 北朝鮮による拉致問題を若い世代にも知ってもらおうと、新潟県は20日、新潟市西区の明倫短期大で拉致被害者の曽我ひとみさん(66)を招き、啓発セミナーを開いた。歯科技工士科・歯科衛生士科の1年生約40人が参加し、曽我さんの壮絶な実体験に耳を傾けた。

 曽我さんは拉致された時の様子や心情、北朝鮮での過酷な暮らしについて語った。指導員の目を盗んで行った闇市で卵を買ったところ、ひよこになりかけたものや腐ったものが混ざっていたこと、歯磨きのときは硬い歯ブラシと研磨剤が多く入った質の悪い歯磨き粉を使うしかなかったことなど、クイズを交えながら紹介。そのうえで、曽我さんは「あまりにも長い時間が経過しているのに全員の帰国が実現せず不安。一日も早く解決するために知恵を貸してほしい」と訴えた。

 聴講した歯科衛生士科の小林礼和さん(18)は「今の自分の生活からは考えられない厳しい生活で、自分の身に起こったらと考えると計り知れない怖さがあるなと考える機会になった。聞いたことを自分の中でとどめずに、下の世代にも話して広めていけたら」と話した。

 また曽我さんの講演に先立ち、拉致被害者の横田めぐみさんとその家族を題材としたドキュメンタリーアニメ「めぐみ」も上映された。【戸田紗友莉】

毎日新聞

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