天皇陛下、ウランバートルの水施設を見学 ライフワークで水問題研究

2025/07/07 17:45 

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 モンゴル訪問中の天皇陛下は7日午後、首都ウランバートルで、水の供給源「ガチョールト水源」を見学された。モンゴルは日本の資金、人材、技術の協力を得て、首都の急激な人口増加に対応する水の安定供給を進めている。ヘルメットと安全ベストを着用した陛下は貯水施設屋上に上り、トーラ川沿いの草原に点在する取水井戸を見渡した。

 水源は市街地から約25キロ離れた丘陵地にある。陛下は案内した上下水道公社の関係者に、モンゴル側が日本の支援を十分に活用していることへの感謝を伝えたという。

 7日午前には、チンギスハン国立博物館を訪れた。古代から馬や羊などと暮らしていた文化や、チンギスハンが建国したモンゴル帝国の歴史を紹介する展示を熱心に見学。帝国がどのように水を確保していたかにも関心を寄せていた。

 陛下は皇太子時代からライフワークとして治水や利水など水問題を研究し、国内外の防災や治水施設に足を運んできた。1987年に訪問したネパールで、水を得るために家事労働から解放されない女性や子供を見た経験が研究の原点になっている。

 皇后雅子さまは7日、体調を整えるためホテルで過ごした。8日は両陛下そろって歓迎行事に出席し、旧ソ連に抑留されてモンゴルで亡くなった日本人の慰霊碑に供花する。【ウランバートル山田奈緒】

毎日新聞

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