大草原約20キロを疾走 両陛下「ナーダム」の競馬競技を観戦

2025/07/12 13:38 

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 国賓としてモンゴル訪問中の天皇、皇后両陛下は12日、ウランバートル近郊の草原で、国民的スポーツの祭典「ナーダム」の競馬競技を観戦された。大草原を馬が駆け抜けるモンゴルらしい光景に見入った。

 競馬場のコースを走る日本の競馬とは異なり、モンゴルでは20キロほどの距離を疾走する。馬への負担を最小限にするため騎手は10歳前後の子供たち。

 両陛下はフレルスフ大統領夫妻と5歳馬が走るレースを見学した。ゴール手前の観戦場所で、ラストスパートで走り抜ける馬を見つめていた。

 競馬観戦後、両陛下はウランバートル中心部から約100キロ西の山岳高地、ホスタイ国立公園にも足を運ぶ。公園は野生馬のモウコノウマ(タヒ)の保護に取り組んでいる。

 モンゴルの人々は馬を「最高の友」として尊重してきた。家畜としてだけではなく、移動や狩猟などで遊牧民を支えてきた歴史を経て、馬は民族の誇りや繁栄のシンボルになっている。

 今年に入り、モンゴルの発案で国連が7月11日を「世界馬の日」と定めた。天皇陛下は8日夜の歓迎の晩さん会で「大統領のご発意により、ナーダムの開会式が行われる7月11日が、『世界馬の日』となったことは意義深いと思う」と述べた。【ウランバートル山田奈緒】

毎日新聞

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