インド事故機は離陸3秒後にエンジン出力急減 推進力失い墜落か
インド西部アーメダバードで6月12日に起きたエア・インディアのボーイング787の墜落事故を巡り、インド民間航空省は12日、初期段階の調査報告書を発表した。
事故機は滑走路を離陸した直後、コックピット内にあるエンジンへの燃料供給スイッチが何らかの理由で「オフ」になった結果、推力を失って墜落に至ったと指摘している。
報告書によると、事故機は現地時間6月12日午後1時38分に離陸。その3秒後、2基のエンジンに対応した二つの燃料供給スイッチが相次いで「オフ」に切り替わり、エンジン出力が急減した。十数秒後にはいずれも「オン」に戻されたが、加速や上昇に必要な推力は得られず、離陸から約1分で墜落した。
コックピットの音声記録によると、スイッチがオフになった直後、2人のパイロットのうち1人が「なぜオフにしたのか?」と尋ね、もう1人は「自分はしていない」と答えたという。報告書ではスイッチが切り替わった原因には触れていない。
また、当時の気象条件に特筆すべき異常はなく、「目立った鳥の活動も観察されなかった」として、バードストライクの可能性は低いと見ている。
日本航空の元機長で航空評論家の小林宏之さんは「今、確実に言えるのはエンジンに燃料が届かない状態になっていたということだ」と指摘。燃料タンクからエンジンにつながるパイプのバルブのうち、二つのエンジンに最も近い「シャットオフバルブ」がそれぞれ同時に閉まった可能性があると説明した。
また、オフになった燃料供給スイッチについて「パイロットは緊急事態がない限り、目的地到着までスイッチを切らない」と指摘。そもそもスイッチを切るのは容易ではなく、パイロットらによる操作ミスの可能性は低いとの見方を示した。そのうえで、整備不良を含む人為的なミス▽システムトラブル▽電気系統の故障――のいずれかが原因になったと推測した。
民間航空省は今後、さらに詳しい原因調査を進める方針。現段階では、同型機の製造業者や運航会社に対する安全上の勧告は出していない。エア・インディアは12日、X(ツイッター)で「本日、調査報告書を受け取った。関係当局による調査に引き続き全面的に協力する」との声明を発表した。
この事故では、乗員・乗客241人に加え、地上で巻き込まれた19人の計260人が死亡。乗客1人だけが奇跡的に生還した。【松本紫帆(ニューデリー)、石山絵歩】
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