「もっと早く…」与党も批判 自民・鶴保氏、参院予算委員長を辞任へ

2025/07/12 18:29 

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 自民党の鶴保庸介参院予算委員長が「運のいいことに能登で地震があった」と発言し、与野党から「被災地軽視だ」と批判を受けたことを受け、予算委員長を辞任する意向を固めたことが12日、党関係者への取材で分かった。鶴保氏は既に参院議長に辞表を提出しており、週明けにも辞任する見通し。

 鶴保氏は、8日に和歌山市であった参院選和歌山選挙区の公認候補の個人演説会で、2024年1月の能登半島地震について「運のいいことに能登で地震があった」と発言。9日に急きょ記者会見を開き、「失言だった」として謝罪し、発言を撤回した。

 鶴保氏の辞意など一連の言動について、与党内からは参院選への影響を懸念する声などが相次いだ。

 ある与党議員は、参院選後に召集される臨時国会で鶴保氏の予算委員長交代が見込まれていたことを踏まえ、「いずれにせよ代わるので、予算委員長だけ辞めたところで本人に実害はない。この程度であれば、もっと早く決断すべきだった。後手後手に回っている」と指摘した。

 改選となった自民参院のある議員は「(鶴保氏の発言が)逆風を強めていることは間違いない。予算委員長を辞めたところで、どうなるというのか。被災地のことであり、党として責任を問うべきだ」と批判した。

 連立を組む公明党の幹部は「政治への不信感がある中でこういった発言が出ると、有権者は政権与党に対して『やっぱりな』と思うだろう」と、参院選への影響に言及。参政党などを念頭に「新興勢力により勢いがついてしまう」と警戒感を示した。【鈴木悟、野間口陽】

毎日新聞

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