「役割固定する差別的主張」 参政代表の発言に「NO」、各地で集会

2025/07/12 18:12 

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 参政党の神谷宗幣代表が参院選の街頭演説で「高齢の女性は子どもを産めない」などと発言したことを受け、市民による抗議集会が全国各地で開かれている。参加者らは「女性は出産と育児をし、男性は働くものと役割を固定する差別的な主張」と訴えている。

 神谷氏は3日午前、街頭演説で「今まで間違えたんですよ。男女共同参画とか。日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に子どもを産んだ方が安心して暮らせるな、という社会状況をつくらないといけないのに、働け働けとやり過ぎた」などと語った。

 この発言に対し、東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅前では12日午前、100人弱が集まり「差別反対」「誰のことも排除しない社会に」と呼びかけた。パートナーと一緒に参加した女性(28)は「女性は子どもを産んで社会に役立てという思想。参政党は人を『役に立つ存在かどうか』で判断していて怖い」と語った。高校3年の横道琳人(あきと)さん(17)は「リアルな場で、街行く人に声を届けたかった」と話した。

 呼びかけ人の太田啓子弁護士(神奈川県弁護士会)によると、11~13日の3日間でこうした集会は全国130カ所以上で開催(予定を含む)されている。

 太田弁護士は取材に「世の中には、子どもを産みたかったけど産めなかった人もいる。適齢期を強調する文脈には暴力性があり、女性の役割は出産や育児だと固定する差別的な主張だ。女性に産ませることではなく、産みたい人が産める社会をつくるのが政治であるべきだ」と話した。

 自身の発言について、神谷氏は3日夕の演説で「適齢期の女性しか産めないですよね。その人たちが産みたいと思う環境をつくることが差別なんですか」と説明。12日の演説では「参政党は女性蔑視だとか言われているが、今回の選挙で一番、女性候補が出ている。女性の活躍を応援するのが参政党」とアピールした。【春増翔太、木村敦彦】

毎日新聞

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