結婚支援に同窓会の助成金 あの手この手で少子化対策の岡山
「自宅と職場の往復ばかり。仕事も忙しく異性と出会う機会がなかった」と口をそろえる男女。2人の薬指には結婚指輪が光る。周囲に祝福されたゴールインから間もなく1年。出会いは、岡山県が運営する結婚支援システム「おかやま縁むすびネット」だった。
少子化に歯止めがかからない。国の旗振りもあり、全国の自治体は少子化対策に躍起だ。岡山県はいち早く2015年に「おかやま・出会い・結婚サポートセンター」を設置。19年からNPOに委託して「縁むすびネット」を始めた。
◇ルールは交際するまで…
ホームページを通じて入会し、年齢、居住地、職業、年収などの基本的な情報と写真を登録。ネットの閲覧で気に入った相手を見つけたら、センターの登録ボランティア「結びすと」が最初の顔合わせ(引き合わせ)をセッティングしてくれる。
引き合わせで意気投合すれば交際に発展するし、合わなければ別の相手を探すことになる。交際までは互いの氏名や電話番号は告げないルールだ。
冒頭のカップルが入会したのは、妻(31)が22年2月、夫(30)が同年12月。2人とも「学生時代の友人たちが結婚し始め、焦りを感じていた」という。 23年10月に岡山市内のホテルで引き合わせ。以前に妻は数回、夫も一度別の相手と引き合わせてもらったが、「なんとなく気が合わなかった」。
しかし、2人は「お笑いが好き」と趣味が合い、テレビ番組の話で盛り上がった。
2人とも公務員と堅い仕事だが、「話していて楽」「居心地がいい」と交際を続け、24年7月29日に挙式した。妻は「伴侶ができて幸せ。子どもは2人欲しい」と笑顔を見せる。
民間のマッチングアプリもさまざまあるが、「官製」という安心感に加え、現在は期間限定で1万円の入会料が無料ということもあり人気で、現在の会員は約3000人、これまで345組が結婚した。
「結びすと」は約80人が登録。藤原尚美さん(55)=岡山市北区=は23年春から160組超の男女の引き合わせに立ち会い、5組ほどが結婚した。
ある男性は引き合わせを何度も重ね、「これが最後」と臨んだ相手と会話が弾み結婚に至ったという。藤原さんは「相性は会ってみないとわからない。出会いの場を提供するこのシステムは貴重」と評価する。
◇すぐに効果出なくとも「何でもやる」
岡山県の24年の合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの数)は1・23と全国平均の1・15を上回るものの、広島1・29、山口1・36、島根・鳥取1・43と中国5県で最少だ。
県は危機感を募らせ、県外に進学した女子学生のUターン促進や企業の子育て支援への助成金交付などさまざまな施策を展開。24年度から市町村を通じて同窓会開催費用の一部を補助する制度を始めた。
参加者アンケートで「結婚」「子どもを持つこと」「子育て」についてそれぞれ4割前後が「考えるきっかけになった」と回答しており一定の効果を上げている。伊原木隆太知事は「少子化対策の効果はすぐには出ないが、今できることは何でもやる」と必死さを隠さない。【石川勝己】
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