「黒い雨」訴訟の創作劇、広島での再演実現 原告らも姿見せ
東京を拠点とする劇団「ハトノス」の創作劇「Pica」は、原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る訴訟を題材に、記憶を紡いできた人たちの姿を追った作品だ。2024年夏に東京で初演し、被爆80年の今夏は広島市内での再演が実現した。主宰の青木文太朗さん(30)は出身地の広島に関わる作品を手がけてきたが、「初めて広島で上演したいと思った作品」と言う。
平和記念公園に近い会場で7月11、12日に計3回あった公演には、客席に「黒い雨」訴訟の原告らも姿を見せた。青木さんは同年代の来場者から「広島でやってくれてありがとう」と言われ、感慨を覚えたという。
広島にとって「特別な日」である8月6日、平和記念公園に集う人たちが抱えるさまざまな思い。記憶を語る人がいれば、語らない人も語れない人もいる。その葛藤を「黒い雨」訴訟の当事者や支援者らに重ね合わせ、被爆者を「線引き」する不条理を浮き彫りにする。被害の告発に私たちは向き合ってきたのか。その問いが客席の一人一人に向けられる――。
「どうすれば分かりやすく伝えられるか」に苦心した。「黒い雨」という言葉は知られていても、そもそもどんな被害なのか。裁判の流れを解説的にしないよう、「人物が生き生きと見えるよう」に工夫した。
青木さんは大学進学で上京し、演劇活動を始めた。18年にハトノスを立ち上げ、被爆電車や大久野島の毒ガス製造などを題材にオリジナル劇を作ってきた。
15年に始まった「黒い雨」訴訟については詳しくなかったが、新型コロナウイルス禍の時期に掘り下げて調べた。「黒い雨」の著作がある元毎日新聞記者の小山美砂さんの協力を得て、訴訟の当事者にも会って脚本を仕上げた。「小山さんと自分は同い年。刺激を受けました」と振り返る。
1年前の東京公演後、広島での上演を求める声が寄せられた。自らも「広島で演じられるべき作品」と思い、脚本を手直しして今回の舞台に臨んだ。
「私たちは小さな劇団ですが、記憶や証言を今につないできた人々の姿に力をもらいます」。舞台後にトークイベントで登壇すると、客席に見えたのは「黒い雨」被爆者の人たちの優しい表情だった。【宇城昇】
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