<1分で解説>参政党が尊重する「教育勅語」って何? 文科省の見解は

2025/07/23 14:00 

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 参院選で議席を増やした参政党が「教育勅語」を尊重する考えを示していることについて、阿部俊子文部科学相が22日、「憲法や教育基本法に反する形で教育勅語を用いることは許されない」と述べました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「教育勅語に関する参政党の主張と文科省の見解」について解説します。

Q 教育勅語ってどんなものなの?

A 教育勅語は1890年に明治天皇が出した言葉で、国民が守るべき道徳や考え方をまとめたものです。第二次世界大戦が1945年8月に終わるまで、学校教育の基本方針とされ、生徒たちが朗読することが決められていました。

Q 今の日本でも教育勅語は使われているの?

A 現在の日本では、教育勅語は法的な効力を持っていません。戦後に新しい日本国憲法ができたことで、国会で「効力を失った」と決められました。

Q どうして効力を失ったの?

A 教育勅語は、国の主権が天皇にあることを前提としていて、神話的な国体観に基づくものです。新しい憲法では、国民主権や基本的人権を定めているため、教育勅語は「基本的人権を損なうものだ」ということで、効力が失われたのです。

Q 参政党は教育勅語をどう位置づけているの?

A 参政党は自分たちの憲法案の中で「教育勅語など歴代の詔勅は教育において尊重しなければならない」と書いています。

Q 阿部俊子文部科学相は参政党の考えについて何か言ったの?

A 阿部氏は「特定政党の選挙結果についてはコメントを差し控える」と話しましたが、教育勅語については「日本国憲法の制定などをもって法制上の効力を喪失しているものと承知している」と述べました。

Q 教育勅語を学校で使うことはできるの?

A 2017年の政府の答弁書で、憲法や教育基本法に反しない形で教材として使うことは「否定されることではない」とされています。ただし、法律に反する使い方は認められていません。

Q 道徳の授業で教育勅語を使うこともあるのかな。

A 2018年には当時の文部科学相だった柴山昌彦衆院議員が「道徳に使えるという意味で普遍性がある」と述べましたが、この発言には批判も集まりました。

毎日新聞

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