「災害みたいな暑さ」の北海道 区役所ではエアコン故障も

2025/07/23 20:41 

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 全国的に気温が上昇した23日、道東を中心に北海道内各地でも、観測史上初の40度に迫る猛烈な暑さとなった。熱中症の疑いで高齢者1人が死亡し厳重警戒が呼びかけられたほか、学校や役所でも生活に影響が出た。

 38・2度を記録した美幌町では、クーリングシェルターとして開放されたエアコンのある公共施設を町民が訪れ、暑さをしのいだ。

 自宅のエアコンが故障して扇風機頼みという主婦(69)は「去年までは何とか我慢したが、耐えられず利用した。涼しいので夕方まではいようかな」。母親と2人で訪れた男性(66)は「災害みたいな暑さ」と驚き、終日シェルターで過ごした。

 町によると、シェルターは21日から3日間開設。23日午後3時までに40人近くが利用した。町内の商店街も人はまばらで、東京から移住したという主婦(37)は「暑くて日陰を探して歩いている。風があるのが救い」と苦笑いだった。

 ◇50校が臨時休校

 道内の学校では23日、熱中症などの予防のため、臨時休校や下校時間の繰り上げが相次いだ。

 道教育委員会によると、道内の小中高校計50校が臨時休校。内訳は小学校24、中学校14、義務教育学校1、高校9、特別支援学校2。北広島、中標津、標津の3市町では全ての公立小中学校が休校となった。下校時間を繰り上げた学校は299校で、全1817校の16・5%に上った。

 24日も、北広島市や鹿追町などの計48校が臨時休校する。

 札幌市では21日、東区役所と併設の区民センターの冷房設備が故障した。約100台の扇風機を稼働させているほか、来庁者に冷却シートを配って暑さをしのぐ。庁内の温度計が33度を示すこともあるといい、来庁者が記入を終えた申請書をうちわ代わりにして窓口の順番を待つ姿も見られた。

 市によると、21日午前、庁舎地下の機械室で冷房に使用する冷却水ポンプのモーターが出火し、運転を停止した。6月25日にも故障し、7月15日に復旧したばかりだった。再復旧までに1週間から10日ほどかかるという。【水戸健一、片野裕之】

毎日新聞

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