秋篠宮ご夫妻「核のない世界願う気持ち新たに」 広島訪問の感想全文

2025/07/23 19:59 

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 広島市の原爆慰霊碑に供花した秋篠宮ご夫妻は23日、側近を通じ「核兵器が二度と使われることがなく、核のない世界、戦争や紛争がない世界を願う気持ちを新たにしました」との感想を公表された。

 ご夫妻は全国高校総合体育大会(インターハイ)の総合開会式に臨むため、この日に広島入り。夏の強い日差しの中、慰霊碑に花をささげた後、原爆資料館に集った平和活動を続ける若者たちと懇談した。

 懇談に参加したのは「高校生平和大使」ら10~20代。原爆被害の歴史を学び、国内外に発信している活動や、活動を通して考えた核抑止力や核軍縮についての思いなどをご夫妻に語った。

 ご夫妻は若者たちと交流した印象を「戦争や核兵器について多くのことを学びながら国内外の同世代と共有し、国際的な視野を持ちながら、課題に取り組んだり、活動したりする姿を頼もしく思いました」と明かした。

 この日は、被爆者が入居する原爆養護ホーム「舟入むつみ園」も訪ねる予定だったが、ホーム側から辞退の申し出があり、取りやめた。宮内庁や広島県によると、複数の入居者が新型コロナウイルスに感染したためという。

 ご夫妻は24日、県立総合体育館で総合開会式に臨む。2024年2月に開業したサッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」を視察し、帰京する。【山田奈緒】

 ご夫妻の感想全文は以下の通り。

 全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の開会式に出席するため、広島県を訪れています。本日は平和都市記念碑に献花し、原爆の犠牲になった方々に哀悼のまことをささげました。本年、被爆から80年を迎えますが、核兵器が二度と使われることがなく、また、核のない世界、そして戦争や紛争がない世界を願う気持ちを新たにしました。

 その後、平和記念資料館を訪れ、平和な世界の実現に向けて学習をし、また活動を行っている若い世代の方々から、お話をうかがいました。戦争や核兵器について多くのことを学びながら、そのことを国内外の同世代と共有し、さらに国際的な視野を持ちながら、課題に取り組んだり、活動したりする姿を頼もしく思いました。

 夕刻にはホテルにおいて、湯崎広島県知事から県の現状や現在行っている取り組みについて説明を受けました。その際、広島原爆養護ホーム「舟入むつみ園」でCOVID-19に感染した方々がいらっしゃることに対し、お見舞いの気持ちを伝えていただくよう、知事にお願いいたしました。入園者の方々とお話しをする予定でしたが、訪問がかなわず残念でした。感染した方々のご回復を祈っております。

 明日は全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の式典に出席いたします。全国から集われる高校生の皆さんには、猛暑の中、熱中症に十分に注意を払いながら、これまでの準備の成果を披露し、高校生活の良い思い出を作っていただきたいと思います。多くの方々にあたたかく迎えていただいたことに感謝いたしております。

毎日新聞

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