北海道、「フェーン現象」で40度に迫る猛烈な暑さ 高齢者1人死亡

2025/07/23 18:31 

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 全国的に気温が上昇した23日、北海道では道東を中心に道内各地でも、観測史上初の40度に迫る猛烈な暑さとなった。熱中症の疑いで高齢者1人が死亡し厳重警戒が呼びかけられたほか、学校や役所でも生活に影響が出た。

 札幌管区気象台によると、この日の最高気温は美幌の38・2度(午後1時40分観測)が最も高かった。次いで佐呂間で37・9度▽津別で37・6度▽遠軽で37・3度▽足寄で37・1度――を記録。道内174地点のうち、35地点で35度以上の猛暑日となった。一方、道内で最も涼しかったのは、えりも岬の最高気温21・7度だった。

 多くの地域で猛暑に見舞われたのは、上空が太平洋高気圧に覆われ、暖かく乾いた空気が流れ込む「フェーン現象」が発生したためという。

 斜里町ではこの日、90代の女性が熱中症の疑いで死亡した。

 斜里消防署によると、午前6時半ごろ、女性の家族から「母親が呼吸をしていない」と通報があった。女性は意識不明の状態で救急搬送され、病院で死亡が確認された。部屋にエアコンはなく、室温は高かったという。

 気象台などは、脱水症状が起きやすいとして、網走・北見・紋別、十勝地方などに熱中症警戒アラートを発出。こまめな水分補給とエアコンの利用を呼びかけている。

 道は22日、農作物や農業従事者にも影響が懸念されるとして、関係団体などに対策を促した。具体的には、熱がたまりやすいビニールハウスを換気し▽複数人で作業する――など。病害や葉やけも出やすくなるため、薬剤散布や適切なタイミングの収穫を求めた。

 札幌管区気象台によると、24日も同程度の酷暑となり、週末にかけて気温が下がる見込み。ただし平年よりは高く、注意が必要としている。【本多竹志、片野裕之、伊藤遥】

毎日新聞

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