被爆の記憶、風化させぬ 映画「ひろしま」リバイバル上映10年
9万人近い広島市民がエキストラで参加し、壮大なスケールで原爆の惨禍を描いた映画「ひろしま」(1953年、関川秀雄監督)。映画プロデューサーの小林開さん(52)=東京都=が、父の遺志を継いでリバイバル上映を手がけるようになって10年になった。1日に広島市内で始まった上映で舞台あいさつした小林さんは「世界が悪い方向に行っているとしか思えない今、この映画を伝え続けていく使命を改めて感じる」と語った。
「ひろしま」は被爆した少年少女らの手記集「原爆の子」(長田新編、岩波書店)が原作で、原爆投下8年後に映画化された。広島市内で撮影され、山田五十鈴や月丘夢路、岡田英次、加藤嘉ら名優が出演。群衆シーンは小中学生を含む市民が演じ、負傷者の服や日用品などを持ち寄った。ところが刺激的な場面の削除を巡って大手配給会社と製作サイドが折り合わず、上映は小規模にとどまった。
小林さんの祖父、大平さんは映画の監督補佐だった。父の一平さんは2008年、幻の映画を復権しようと「奇跡への情熱」と名付けたリバイバル上映のプロジェクトを始めた。しかし15年に68歳で急逝し、その後を息子の小林さんが継いだ。映画を長く残すために鮮明なデジタルリマスター版を製作し、外国人向けに英語字幕版も作った。
毎年のように広島を含む全国各地の映画館で上映され、広島市中区の「八丁座」では1日から期間限定の上映が始まった。
舞台あいさつで小林さんは、映画にエキストラで出演した被爆者の早志百合子さん(88)に会った際に「上映をぜひ続けてほしい」と言葉をかけられたことを紹介し、「それがあったから続けて来られたと思っている」と語った。
「映画の製作時も体験の『風化』が言われていた。大勢の人たちの『ヒロシマを知ってほしい』という思いが作品の核心で、被爆80年の今に通じます」。今年は全国10カ所近くで上映が決まっているという。【宇城昇】
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