長生炭鉱の遺骨収容 「財政支援、現時点で検討せず」 厚労相

2025/08/26 12:31 

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 太平洋戦争中の1942年に落盤による大規模な水没事故があった山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で人骨のようなものが見つかったことを巡り、福岡資麿厚生労働相は26日の閣議後の記者会見で遺骨収容への財政支援について「現時点で検討は進めていない」と消極的な姿勢を示した。

 市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は25日、遺骨収容に向けた6回目の潜水調査を実施。水深43メートルでブーツ様の靴を複数人分発見し、周囲から3本の骨のようなものを収容した。山口県警が鑑定を進めている。

 刻む会の要望を受け、厚労省は現地調査の可否などを検討するため専門家へのヒアリングを進めている。しかし、福岡氏は会見で「現時点では安全を確保した上での潜水調査に資するような新たな知見は得られていない」と述べた。

 長生炭鉱では、坑道への出入り口から約1キロ沖合で落盤による水没事故が発生し、朝鮮半島出身の労働者と日本人計183人が亡くなった。【肥沼直寛、寺原多恵子】

毎日新聞

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