長生炭鉱の潜水調査で頭蓋骨?見つかる 戦時中に大規模水没事故
戦時中の1942年に落盤による大規模な水没事故が起き、朝鮮半島出身の労働者136人を含む計183人が死亡した山口県宇部市の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で26日、地元の市民団体による6回目の潜水調査があり、坑口(坑道の出入り口)から沖に約500メートル地点の主坑道で頭蓋(ずがい)骨とみられるものが初めて見つかった。事故犠牲者の可能性があり、市民団体は県警に引き渡した。国は遺骨の位置が不明などとして調査に消極的だが、人骨と確定すれば、身元を調べるDNA鑑定や現地調査を国で実施するよう求める声が高まるのは必至だ。
この日は市民団体「長生炭鉱の水非常(みずひじょう)を歴史に刻む会」(刻む会)の依頼を受けた韓国人ダイバー2人が潜水した。陸から約300メートル先の海面に突き出した沖側の「ピーヤ」と呼ばれる排気・排水用の円筒から旧坑道、側道を経て主坑道に突き当たった水深43メートルの丁字路付近を捜索したところ、半分土に埋まった状態の頭蓋骨とみられるものを見つけた。
付近では25日の調査で骨のようなもの3本やブーツのような靴を複数人分、発見していた。ダイバーによると、近くには横向きに倒れた形で人間の上半身の骨がまとまっているようなものも確認したという。
調査報告を受けた刻む会の井上洋子共同代表(75)は「こういう遺骨が坑道にはたくさん眠っている。戦争中に事故が起きた長生炭鉱の犠牲者の遺骨を遺族に返還するのが日本の誠意であり、責任だ」と語った。
長生炭鉱は32年ごろから民間企業が本格的に操業したが、太平洋戦争開戦から約2カ月後の42年2月3日、坑口から約1キロ沖合で落盤による水没事故が発生。労働者183人が亡くなり、うち136人は朝鮮半島の労働者だった。
国は、刻む会に要請された遺骨の調査と収容を「現時点では困難」としており、刻む会はクラウドファンディングで資金を集めるなどして調査してきた。【綿貫洋、小澤優奈】
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