<追跡公安捜査>警視庁が意図的に「二つのうそ」 検察審査会が認定 大川原冤罪
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件で、警視庁公安部の当時の捜査員2人に対する不起訴処分(容疑不十分)を「不当」とした東京第6検察審査会の議決が、公安部の実験内容と異なる二つのうそが意図的に公文書に記載されたと認定していることが判明した。うち一つについては「積極的な虚偽記載。捜査員の供述は信用できない」と厳しく批判している。
議決は17日付だが、検察審はまだ公表していない。検察審に審査を申し立てた大川原化工機の代理人弁護士は公表に先立って議決を受領しており、弁護士らの協力を得て毎日新聞が議決を独自に分析した。
公安部は大川原化工機の噴霧乾燥器が経済産業相の許可を得ずに不正輸出されたとみて2017年春に捜査を開始。不正輸出の立証には、噴霧乾燥器を空だきして細菌を殺菌できる高温度が維持される必要があると独自の解釈を打ち立て、民間企業の装置を借りて温度実験を複数回実施した。
議決は実験の捜査報告書を作成した巡査部長(当時)と、捜査を指揮した宮園勇人・元警部=定年退職=の2人に対する虚偽有印公文書作成・同行使容疑の不起訴を不当とした。
議決が虚偽としたのは①立件条件に達しない温度データを記載しなかった②温度が上がりづらい箇所について、公安部が設置した温度計とは別に民間企業代表が自発的に温度計を設置したと記載した――の2点。①について「立件ありき」で不利なデータを記載しないことは許されないと非難し、②は温度変化を気にしていた捜査員が代表から借りて温度計を設置したことが事実だとし「積極的な虚偽記載」と批判した。
当時を知る捜査関係者は毎日新聞に「立件するためには、報告書からあえて省いた温度が上がらなかった箇所を、別の測定器まで使って自分たちで積極的に測ったと記すわけにはいかず、社長が自発的に温度を計測したということにしたのだろう」と証言した。
議決は、巡査部長と元警部の共謀が成立し「虚偽公文書作成罪に該当する」と結論付けた。その上で「ぜひ検察官の手で本件を司法の場で明らかにすることができるよう、改めて検討されたい」と東京地検に処分の見直しを求めた。地検は再捜査し、起訴するかどうか改めて判断する。再び不起訴とした場合は捜査は終結する。【遠藤浩二】
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