ノーベル生理学・医学賞に坂口志文氏ら 制御性T細胞を発見

2025/10/06 18:33 

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 スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2025年のノーベル生理学・医学賞を坂口志文(しもん)・大阪大特任教授(74)ら3氏に授与すると発表した。授賞理由は「末梢(まっしょう)免疫寛容の発見」。

 坂口氏は、細菌やウイルスなど外敵を退治する免疫機能が誤って自分の体を攻撃しないよう抑える免疫細胞「制御性T細胞」を発見し、その働きを解明した功績などで知られる。

 他に受賞が決まったのは、米システム生物学研究所のメアリー・ブランコウ氏と、米ソノマバイオセラピューティクスのフレッド・ラムズデル氏の2人。2人は自己免疫疾患に特にかかりやすいマウスの系統から、重篤な自己免疫疾患を引き起こす遺伝子変異を発見した。坂口氏はこの遺伝子変異が制御性T細胞の発生を抑制していることを証明した。

 授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億7000万円)。

 ◇さかぐち・しもん

 1951年、滋賀県長浜市生まれ。76年京都大医学部卒。77年に京大大学院を中退し、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)の研究生になった。京大大学院で医学博士号を取得した83年から米ジョンズ・ホプキンズ大、87年から米スタンフォード大でそれぞれ客員研究員を務め、95年に帰国後は京大再生医科学研究所長などを歴任した。2011年、大阪大免疫学フロンティア研究センター教授。16年の定年退職後も特任教授を務める。阪大栄誉教授、名誉教授、京大名誉教授。

毎日新聞

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