田久保市長「市議会にも新しい風が必要」 伊東市議選で応援演説

2025/10/12 16:57 

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 学歴詐称疑惑を追及された静岡県伊東市長が不信任決議を受け市議会を解散したことに伴う市議選(定数20)が12日告示され、午前9時40分までに前職18人、新人12人の計30人が立候補を届け出た。田久保真紀市長は自身を支持する候補者が7人当選すれば失職を回避できるが、候補者26人が新しい市議会で不信任決議案に賛成する意向を示しており、失職する公算が大きい。投開票は19日。31日に臨時議会が予定されている。

 毎日新聞など伊東市を取材する報道機関が協力し、市選挙管理委員会の事前審査を受けた候補者30人にアンケートを実施したところ、不信任決議案に賛成する意向の候補者は26人、反対は1人だった。1人は未定とし、2人は未回答だった。

 不信任に賛成の候補者の一人は12日、地盤とする地域に立ち「大義なき市議会解散による選挙。なんとしても勝ち上がって、再度市長に不信任を出して、新たな市政を進めないといけない」と主張した。

 一方、賛成を表明していない候補者の元には田久保市長が応援に駆けつけ、「市議会にも新しい風が必要だと思い議会を解散した」と演説した。この候補者は「市民のための政治を取り戻し、新しい伊東をつくっていきたい」と訴えた。

 臨時議会に3分の2以上の議員が出席し、過半数の同意で不信任決議案が再度可決されれば市長は失職する。「市長派」7人が当選し欠席すれば「3分の2」の条件を崩せるため市長の支持者が水面下で候補者擁立を進めていたとみられるが、そろわなかった。

 11日現在の選挙人名簿登録者数は5万7010人。2023年の市議選は4500万円の経費がかかったが、物価高騰などもあり今回は6300万円の予算を組んでいる。【若井耕司】

毎日新聞

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