ゆっくりを味わう…コーヒーで村の「時間の豊かさ」表現 福島・葛尾
福島県葛尾村の魅力を五感で表現したいと、村民有志がオリジナルブレンドコーヒー「ときの実」を商品化した。パッケージの写真やSNS(交流サイト)でPRする映像作品と併せて「葛尾で過ごす時間の豊かさ」を表現。「村の魅力を遠く離れた人にも伝えるメディアになれば」と願う。
葛尾村は東京電力福島第1原発事故で全村避難となったが、自然と水資源が豊かで、原発事故前は冷涼な気候を生かした農業も盛んだった。その魅力をアートの力で発信するプロジェクト「カツラオコレクティブ」のコーディネーターを務めている大山里奈さんが中心となって企画した。大山さんは2021年に芸術家が滞在して創作活動する「アーティスト・イン・レジデンス」に携わり、村に移住した。
24年7月、山間部の古民家を借りてリノベーションし、湧き水を引いたカフェ「しずく」(同村野川)をオープンした。全村避難の影響で葛尾には飲食店や宿泊施設などの交流拠点が乏しく「アーティストや地元住民、来訪者が集まって作品を共有できる文化的ハブ」を目指している。
大山さんは茨城県牛久市出身で、地元に自家焙煎(ばいせん)の名店があって交流の場となっていたことから、店主の斎藤孝司さんを招いたワークショップを今年7月に開催。県内外から参加した約20人が「葛尾村のゆっくりとした時間の魅力を伝えるコーヒー」をテーマにブレンドコーヒーを作り、斎藤さんの監修で仕上げた。
コーヒーらしいビターな味わいをゆっくりと楽しみ、冷めていく過程でも味の変化が楽しめる。パッケージは、葛尾に滞在経験があるアーティスト、尾角(おかく)典子さんと中小路萌美さんがデザインした。そのパッケージを挟めば額縁代わりにもなる、表紙をくりぬいた冊子には、葛尾の風景写真とメッセージをあしらった。
カフェからは田園風景が広がり、訪れた客は「のんびりして眠くなっちゃう」と感想を伝えるという。大山さんは「村を訪れた人がお土産として持ち帰ったコーヒーとアートを通じて、ゆっくりした時間を思い出せるような『伝書バト』になれば」と話している。
コーヒーパックは1袋300円、冊子付き900円(ともに税抜き)。映像作品と問い合わせは合同会社「いること」のインスタグラム(@ilu_coto)へ。【錦織祐一】
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