クマによる負傷事故が過去最悪ペース 福島県、外出の自粛呼びかけも

2025/10/16 12:30 

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 福島県喜多方市や昭和村、会津若松市で16日未明から早朝、歩行者らがクマに襲われる事故が相次ぎ、3人が負傷した。負傷者はいずれも病院で治療を受け、命に別条はないという。福島県によると、今年4月以降、クマによる負傷事故は13件(負傷者15人)となり、過去最多だった2023年を上回る最悪のペースとなっている。

 県は、日の出前や日没後の徒歩での外出を控え、日中に外出する際にもクマ鈴など音の出るものを携帯し、クマに人間の存在を知らせるよう呼び掛けている。

 16日午前2時半ごろ、喜多方市山都町相川の国道を歩いていた市内の60代の男性がクマに襲われ、顔をひっかかれたほか、右手をかまれ、病院に運ばれた。クマは現場から逃げ、大きさは不明。喜多方署などによると、クマに襲われた男性がうずくまっているところを新聞販売店従業員が発見し、近所の人が119番した。

 午前5時40分ごろには昭和村下中津川の村道で、集落の新聞集合ポストに新聞を取りに来た50代の男性がクマに襲われ、左手をかまれた。会津坂下署などによると、男性はポストの近くでクマと鉢合わせになり、驚いて逃げたところを追いかけられ、左手の甲をかまれたという。

 また、午前6時20分ごろ、会津若松市大戸町芦牧の市道を原付きバイクで走行中の市内の40代の男性がクマに襲われ、顔などを負傷した。会津若松署などによると、男性は通勤途中に親子とみられる3頭のクマに出くわした。避けようとして転倒したところ、体長約1メートルの親とみられるクマに襲われたという。

 一方、15日午後7時半ごろ、喜多方市山都町小舟寺の県道を走行していた喜多方消防署山都分署の救急車が右側から道路を横切ったイノシシと衝突した。運転していた救急隊員や同乗の2人の隊員にけがはなかった。喜多方署によると、救急車は救急要請を受けて急行中で、傷病者は乗っていなかった。救急車はそのまま要請場所に向かい、救急活動に支障はなかったという。【高橋宗男】

毎日新聞

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