「ワクワクをありがとう」万博デザインの飛行機にお別れ 見納め間近

2025/11/01 07:15 

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 大阪・関西万博の閉幕に伴い、公式キャラクター「ミャクミャク」やロゴマークをデザインした旅客機や電車が姿を消しつつある。全日本空輸と日本航空の万博の特別塗装機は年内にすべて運航を終える予定で、目にする機会はあとわずかになっている。【中村宰和、峰本浩二】

 全日空の「EXPO2025 ANA JET」は万博のイメージカラーの赤と青、グレーを流線型に融合させたデザインで、万博ロゴマークも描かれている。2024年12月から日本の空を飛び続け、12月中旬までに運航を終える。全日空は「万博で生まれた熱気や期待感、レガシー(遺産)を多くの方に一定期間伝え続けたいという思いから、閉幕後も運航を継続している」と説明する。

 31日、沖縄・石垣島から関西国際空港に到着する便に搭乗した兵庫県芦屋市の自営業、辻江愛さん(40)は「おしゃれな塗装だった。万博に2回行き、いい思い出があるので、乗れてうれしかった」と話した。

 日航は特別塗装機3機のうち、国際線に投入していた2号機は8月に、国内線用の1号機は万博閉幕翌日の10月14日に運航を終えた。1号機は約2年間にわたって国内26空港に飛来し、約32万人が搭乗した。13日に伊丹空港で「JAL ミャクミャクJETさよならイベント」を開き、参加した親子連れら44人は機体に「ワクワクをありがとう」「大阪での万博、たくさんの思い出ができました」などとメッセージを書き込んだ。

 日航の残る1機は、万博会場に展示された機動戦士ガンダムやミャクミャクをデザインしたもので、運航終了は11月下旬を予定している。

 JR西日本は、ミャクミャクなどをデザインした「万博ラッピング列車」の運行を10月29日に終えた。

 白地に赤色や青色を基調としたデザインで、ミャクミャクや万博の公式ロゴマークが描かれていた。8両1編成で、開幕500日前の23年11月30日から大阪環状線とゆめ咲線で運行。万博の機運醸成と来場者輸送の役割を果たした。

 ラストランの電車は、万博シャトルバスが運行された桜島駅(大阪市此花区)で最後の乗客を降ろした。車内の広告スペースには同社グループ社員からの感謝を伝えるメッセージが掲げられた。

 同社万博プロジェクト推進室の国見篤志さんは「皆さんの記憶の一つとして残っていただけるような存在となってくれたらうれしい」と話した。

毎日新聞

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