官庁や政府出資法人、補助金過大交付など総額540億円 検査院報告

2025/11/05 18:08 

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 会計検査院は5日、官庁や政府出資法人を調べた2024年度の決算検査報告を高市早苗首相に提出した。補助金の過大交付を指摘したり、有効活用されていない資産の改善を求めたりしたのは全体で319件、総額540億8151万円に上った。

 検査院は、内閣から独立した地位で税金の使われ方などをチェックしている。原田祐平院長は今回、国民生活の安全性や社会保障、防衛、デジタルなどの分野を重点的に調べたとした上で「国民の経済社会活動や日常生活に深く関わるものばかり。予算編成や決算の審議、行政の改善にも役立ててほしい」としている。

 法令違反や不適切な予算執行などと認定する「不当事項」は、271件(指摘金額計86億7155万円)だった。また、319件の指摘について省庁別の金額を見ると、経済産業省が計220億5880万円(15件)で最も多く、厚生労働省が37億5206万円(91件)と続いた。

 このほか報告には、社会的関心の高い問題などを取り上げた「特定検査対象」として、日本放送協会(NHK)の取引や関連団体の利益剰余金の状況なども盛り込まれた。【山田豊】

毎日新聞

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