高市首相、新たな財源調達に意欲 防衛費増額見据え 衆参代表質問

2025/11/05 20:16 

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 高市早苗首相は5日の衆参本会議での代表質問で、子育てや教育の拡充、防衛費増額を実現するための新たな財源調達に意欲を示した。国民民主党の玉木雄一郎代表が「教育国債」創設を提案し、防衛費増額の財源に「防衛国債」を検討しているかをただしたのに対し、「リスクを最小化し、未来を創造するための投資にかかる新しい財源調達のあり方については前向きに検討している」と述べた。首相は2027年度に防衛費を国内総生産(GDP)比2%に増額する目標を、25年度中に前倒しする方針を示している。

 首相は代表質問で、自民党派閥の裏金事件に関係した佐藤啓官房副長官が参院議院運営委員会理事会などへの出席を拒否されていることについて「国会運営に混乱を来すことになったことを真摯(しんし)におわびする」と陳謝した。そのうえで「有為な人材にはぜひ再起の機会を与えていただきたい」と述べ、理事会などへの出席に理解を求めた。

 戦前の「教育勅語」については、現行憲法や教育基本法の制定により法制上の効力を喪失しているとしたうえで、「政府としては教育現場で活用を促す考えはない」と述べた。就任前には自身のホームページで「見事な教育勅語」などと評価していた。

 立憲民主党の水岡俊一参院議員会長が学校法人「森友学園」への土地売却や財務省の公文書改ざんを巡る問題に関し、第三者委員会による調査を求めたのに対しては、検察が関係者を不起訴処分としたとして「改めて第三者による調査が必要とは考えていない」と述べた。

 衆院議員定数削減を争点に年内にも衆院解散・総選挙を行うかを問われ、「とにかく急ぐべきは物価高対策だ。今は解散について考えている余裕がない」と述べた。【野間口陽、田中裕之】

毎日新聞

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