ノーベル賞決定1カ月 北川進さん「これ以上聞かれても出し殻…」
2025年ノーベル化学賞に選ばれた北川進・京都大高等研究院特別教授(74)が5日、京都市左京区の同院「物質―細胞統合システム拠点(アイセムス)」で報道各社の取材に応じた。「遅咲き」と自認する研究の歩みを振り返り、「基盤的研究費と科研費などの切れ目ない支援が極めて重要」と訴えた。
北川さんは国立の京大工学部卒・大学院工学研究科博士課程修了で、1979年から私立の近畿大理工学部で助手~助教授(当時)を務め、92年に東京都立大理学部の教授になった後、98年に京大に戻った。その経歴を「いろんな出身の人の気持ちが分かり、研究室の運営に非常にプラスになる」と話した。
近畿大・都立大時代は「基盤的経費がそれなりに充実し、自由な発想で伸び伸び研究できた」と振り返り、「科研費という競争的資金ではトピックスが絞られ、自由な発想にならない」と指摘。「ゆったり考えて進められる資金をベースにして」と国に求めた。研究者の年齢構成についても若手、中堅、シニアのバランスが取れていない現状を「国家戦略的にも非常にまずい」と批判。若手の支援システムと共に中堅のサポートも重要とした。
北川さんは初の受賞(日本化学会学術賞)が50歳。「私は遅咲き」としつつ、「化学はアイデアがいっぱいあっても実行にはチームが必要」「応用ではなくパイオニアになるにもチームワークが重要」と述べた。若い人を激励し、興味を持ってもらうには年齢を要するとし、「私が遅くして認められてきたのは、そういう流れだったと思う」と語った。
10月8日の受賞決定から約1カ月だが、「忙しすぎて、じっくり考える暇がない。(会見や講演は)蓄積だけで話し、これ以上聞かれても出し殻だ」と述べる一方、「過去を思い出せたのは面白かった」と振り返った。
2日前の文化勲章授与式で他の受章者たちと接し、「それぞれ極めた人で話が非常に面白く、新たな学びがあった」という。約1カ月後のストックホルムでの授賞式は物理学、生理学・医学、文学、経済学の受賞者も集まるため「いろんな方との交流が非常に楽しみ」と期待した。【太田裕之】
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