タイ少女人身取引事件 「明確に取り締まれるように」団体が集会

2025/11/21 07:30 

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 東京・湯島の個室マッサージ店で12歳のタイ国籍の少女が違法に働かされていた事件を受け、人身取引を禁じる立法を求める集会が20日、千代田区の参院議員会館で開かれた。事件は12歳という年齢に焦点を当てた労働基準法違反容疑で摘発されたが、「明確に人身売買を取り締まれるようにすべきだ」という声が高まっている。

 暴力や搾取といった問題に取り組む団体らでつくる「人身売買禁止ネットワーク」が主催した。

 斎藤百合子・大東文化大特任教授は、包括的に人身取引を摘発し被害者を保護できる法律や、買春側を罰する法律がないことを挙げ、「支援活動の中で人身取引被害者と思われる日本人の少女にも会う。今回の事件は買春を処罰せずに容認している日本社会の問題だ」と話した。

 内閣府のまとめによると2024年、国内の人身取引被害者は66人だった。だが、ネットワーク共同代表の吉田容子弁護士は「児童買春や児童ポルノの検挙件数を見ると、この数字は氷山の一角だ」と疑義を呈し、「人身取引は被害者を物理的に拘束するのではなく、意思をコントロールして自ら行為を選択したと思わせるような事案が多い」と指摘した。【菅野蘭】

毎日新聞

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