米海域で石油・ガス採掘を大幅拡大へ トランプ政権が計画発表

2025/11/21 11:18 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米トランプ政権は20日、連邦政府の海域で石油・ガスを採掘するためのリース権を大幅に拡大する計画を発表した。米メディアによれば、太平洋沖では約40年ぶりの新規探鉱の機会で、西部カリフォルニア州のニューサム知事(民主党)は、環境リスクへの懸念から強い反発を示した。

 内務省が発表した計画によると、カリフォルニアのほか北部アラスカ州沖や南部に接するメキシコ湾(アメリカ湾)などで、2031年までに最大34件の入札を実施する。海洋環境への影響や気候変動対策などの観点から石油・ガスの海洋開発を抑制したバイデン前政権の政策を転換する。

 バーガム内務長官は「今後数十年にわたり、米国のエネルギー支配を維持する」と述べた。トランプ大統領は、「掘って、掘って、掘りまくれ」をスローガンに化石燃料の大増産を掲げてきた。

 一方、ニューサム知事は「沿岸経済と地域社会を危険にさらす」とし、「断固反対」の姿勢を強調。同州沖では1969年に大規模な原油流出事故が起き、米国で草の根の環境運動が広がるきっかけの一つとなった。米国の有力NGO「自然資源防衛協議会(NRDC)」も「潜在的な代償が大きすぎる」と強く批判し、撤回を求めた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

国際

国際一覧>