事故きっかけで発覚… 運送会社、安全管理者選ばず 容疑で書類送検

2025/12/11 10:54 

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 交通事故捜査をきっかけに業務で車を使う運転手らの点呼や安全管理が不十分だったことが分かり、警視庁交通捜査課は11日、医薬品運送会社「メディスケット」(埼玉県三郷市)と男性役員(43)を道路交通法違反(安全運転管理者の不選任)容疑で書類送検した。7月にメディ社の車がJR四ツ谷駅(東京都新宿区)前で大学生2人をはねて重軽傷を負わせる事故があり、警視庁は不十分な安全管理が事故の遠因になった可能性があるとみている。

 事故は7月7日午前11時半ごろに発生。四ツ谷駅前で、メディ社に派遣されていた男性(52)運転の軽ワゴンが赤信号の交差点に進入し、横断歩道を歩いていた大学生2人をはねた後に植え込みに突っ込んだ。

 警視庁によると、ドライブレコーダーに男性が事故直前に意識を失う様子が映っていた。この日は猛暑日だったが、男性はエアコンをつけずに運転しており、熱中症だったとみられる。乗車前に、責任者による点呼や安全運転に関する指示はなかったという。

 書類送検容疑は2023年10月13日~25年7月18日、東京都内の6事業所で、いずれも5台以上の車を使っていたのに安全運転管理者を選んでいなかったなどとしている。役員の男性は「管理者は選任していなかったが、やるべきことはやっていた」と供述しているという。

 メディ社は6営業所に、それぞれ17~33台の車があった。道交法は、業務で使う車が5台以上の事業所に、点呼やアルコールチェックをする安全運転管理者を置くよう義務付けている。【菅野蘭】

毎日新聞

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