ウクライナと米、停戦後の再建計画主要点で合意 米和平案基に議論か

2025/12/11 11:11 

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 ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は10日、米政府高官と協議し、ロシアとの停戦後に米国と共同で進めるウクライナ再建計画について、米国側と主要点で合意したと明らかにした。

 協議はオンライン形式で開かれ、ウクライナ側はゼレンスキー氏のほか、スビリデンコ首相らが参加。米国側はベッセント財務長官、トランプ大統領の娘婿クシュナー氏らが出席した。

 協議では、ロシア寄りの姿勢を取るトランプ氏がロシアへの領土割譲など、ウクライナに譲歩を迫る中、経済分野に焦点が当てられた。詳細は明らかにされていないが、米国が主導する和平案を基に議論が進められたとみられる。

 ゼレンスキー氏は「経済事案の主要点は明確で、米国側と完全に足並みをそろえている。質の高い復興や戦後の経済成長が実現するには、真の安全が基本となる」と述べ、ロシアの再侵攻を阻止する「安全の保証」への米国の協力を改めて呼びかけた。

 停戦後のウクライナ再建計画を巡っては、米国が提案した28項目の和平計画案で「ウクライナ開発基金」の創設▽天然ガス関連インフラの再建▽戦争による被害地域の復興▽鉱物や天然資源採掘の再開――などが盛り込まれている。欧州連合(EU)で活用法を巡って議論が続くロシアの凍結資産を米国主導の再開発計画へ投資し、米国が利益の5割を受け取る案なども含まれている。その後、米、ウクライナ、欧州間で修正案が協議されている。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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