「村上祭の屋台行事」が無形文化遺産に追加 「392年の思い後世に」

2025/12/11 19:11 

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 「おしゃぎり」と呼ばれる豪華な屋台の引き回しで知られる新潟県村上市の「村上祭の屋台行事」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「山・鉾(ほこ)・屋台行事」に追加登録されることが11日、決まった。村上市ではユネスコの審議を見守るパブリックビューイングが開かれ、登録決定が伝わると、関係者が歓喜に沸いた。

 この日は、法被姿の村上まつり保存会メンバーらが、市教育情報センターに集まり、大型スクリーンでユネスコの政府間委員会の審議を見守った。11月にユネスコの評価機関から勧告があり、追加登録は確実視されていた。それでも午後2時40分ごろ、登録決定が伝わると、会場からは大きな拍手が湧き起こった。

 高橋邦芳市長は「(江戸時代から)392年続けてきた先人の思いがなければ、今日を迎えることはできなかった。誉れを胸にしっかりと後世に伝えていきたい」と誓った。

 村上まつり保存会の渡辺明会長は「本当にうれしく思う。毎年、熱い思いで祭りを作り上げてきた。全員の力がユネスコ無形文化遺産につながった要因。これからも祭りを続けていくことが大切」と述べた。

 県によると、県内のユネスコ無形文化遺産は、村上祭の屋台行事で4件目。花角英世知事は「大変誇らしく、喜ばしい」とのコメントを発表した。

 村上祭の屋台行事は、豪華な彫刻などが施された高さ5メートルほどの屋台(山車)19台が旧城下町を巡行する伝統行事。江戸時代初期の1633年に行われた西奈弥(せなみ)羽黒神社(村上市)の遷宮祭が起源とされる。現在は村上大祭として7月6日と7日の2日間にわたり行われ、2018年には国の重要無形民俗文化財に指定された。【神崎修一】

毎日新聞

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