大阪府議会は１１日、議場と議員の自宅をオンラインでつなぎ、一般質問を実施した。議会事務局によると、本会議でのオンライン質問は都道府県議会では初とみられる。

　質問したのは、公明党の藤村昌隆府議。議場での質問を予定していたがインフルエンザに感染し、オンライン質問に切り替えた。議場に設置された大型モニターの画面越しに、吉村洋文知事ら府幹部に少子化対策や大阪・関西万博のレガシー（遺産）などを問うた。

　総務省は２０２０年、新型コロナウイルスの流行を受けて委員会のオンライン出席を可能とする通知を出し、全国で条例改正が進んだ。全国都道府県議会議長会によると、今年４月時点で３９都道府県議会がオンライン出席を認めている。

　他方、総務省は２３年、本会議でのオンライン質問を認める通知を出したが、制度化した都道府県議会は大阪、茨城、埼玉などにとどまる。地方自治法上は「欠席」扱いとなる▽表決に関する討論や質疑はできない――などが足かせとなり、導入が進んでいない。【加藤明子】