映画監督・原田眞人さん死去 76歳 「クライマーズ・ハイ」など

2025/12/13 15:53 

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 「クライマーズ・ハイ」「金融腐蝕列島・呪縛」など、骨太の作品で知られる映画監督の原田眞人(はらだ・まさと)さんが8日、死去した。76歳。葬儀は近親者で営む。お別れの会を後日開く。喪主は妻瑞穂(みずほ)さん。

 静岡県出身。高校卒業後、映画監督を志し、ロンドン留学などを経て米ロサンゼルスを拠点に評論活動を開始。1979年、「さらば映画の友よ インディアンサマー」で監督デビュー。「KAMIKAZE TAXI」(95年)、「金融腐蝕列島・呪縛」(99年)、「突入せよ!あさま山荘事件」(2002年)など社会派作品から、「伝染歌」(07年)などの娯楽作、「関ヶ原」(17年)、「燃えよ剣」(21年)といった時代劇まで幅広く手がけた。

 テンポの速い筋運びと編集で、日本映画離れしたスピード感ある作風が特徴だった。コギャル文化を題材とした「バウンス ko GALS」(97年)、日航機墜落事故の報道を巡る「クライマーズ・ハイ」(08年)、終戦の一日を描いた「日本のいちばん長い日」(15年)など、現代社会や史実に正面から取り組み、娯楽性豊かな骨太の作品に仕立てた。

 ハリウッド映画「ラストサムライ」(03年)には俳優として出演。スタンリー・キューブリック監督に依頼され「フルメタル・ジャケット」の日本語字幕も担当した。

 「わが母の記」(12年)でモントリオール世界映画祭審査員特別大賞、「駆込み女と駆出し男」(15年)で毎日映画コンクール脚本賞などを受賞した。

毎日新聞

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