名市大救急センター完成 南海トラフなどに備え 施工側とは対立続く
名古屋市立大病院(名古屋市瑞穂区)の「救急災害医療センター」が完成し15日、施工者の共同企業体(JV)らから大学側に引き渡された。医療機器の搬入などを経て来年6月1日の開棟を予定する。
センターは救急搬送の対応強化や、南海トラフ地震など大規模災害に備えるために計画。地下1階、地上8階建て、延べ床面積は約2万7600平方メートルで病床数は118床。救急機能を集約しEICU(救急集中治療室)やEHCU(救急高度治療室)を新設する。年間救急搬送受け入れ件数は1万件以上に伸ばしていく。
式典で名市大の郡健二郎理事長は「患者さんに寄り添う立派な施設を築き上げたい」と述べた。
一方、JVと名市大は増額工事費の支払いを巡り対立が続く。JV代表「清水建設」の名古屋支店長、坂尾彰信常務は「大変喜ばしく安堵(あんど)している」とあいさつしつつ「工事にはさまざまな困難があったが、企業の社会的責任を踏まえ本日の引き渡しに至った。今後も諸協議が継続する」と強調した。
JV側は名市大が支払いに応じなければ解決を求め、愛知県建設工事紛争審査会に申し立てる方針を固めている。【川瀬慎一朗】
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