豪首相「あなたの勇気は感動的」 銃撃事件で銃を奪った男性を見舞う

2025/12/16 16:20 

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 オーストラリアのアルバニージー首相は16日、東部シドニーのボンダイビーチ近くであった15人死亡の銃乱射事件で、発砲していた容疑者から銃を奪って負傷した男性と病院で面会した。「あなたの心は強く、勇気は感動的だ」と述べて男性の行動に謝意を示した。

 アルバニージー氏は、X(ツイッター)に男性を見舞う様子の動画を投稿した。男性は病院のベッドに横たわり、点滴を受け、左腕に包帯を巻いていた。アルバニージー氏は面会後、報道陣に「(事件当時)彼はただ、近くでコーヒーを飲もうとしていただけだった」と説明した。

 豪メディアによると、男性はシリア出身のイスラム教徒で、2006年に豪州に移住した。事件後、容疑者と過激派組織「イスラム国」(IS)との関係が報じられると、交流サイト(SNS)上では、イスラム教徒や移民への憎悪をあおる投稿が相次いだ。シドニーのイスラム教徒墓地に豚の頭が置かれる嫌がらせも報じられた。

 こうした中、イスラム教徒の男性が被害拡大を防いだ事実は広く共有され、国内外で注目を集めている。男性を支援する動きも広がり、クラウドファンディングの寄付総額は1日で200万豪ドル(約2億円)を超えた。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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