シドニー銃撃 容疑者親子、直前にフィリピン渡航 軍事訓練目的か

2025/12/16 16:19 

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 オーストラリア東部シドニーのボンダイビーチ近くであった15人死亡の銃乱射事件で、地元警察は16日、容疑者の親子2人が事件の約1カ月前、フィリピンに渡航していたと発表した。豪公共放送ABCは捜査関係者の話として、軍事訓練を受けるのが目的だった可能性があると報じた。

 警察によると、現場近くに駐車されていた親子の車両からは、手製の過激派組織「イスラム国」(IS)の旗2枚が見つかった。

 ABCによると、2人は11月初めにフィリピンの首都マニラを訪問。その後、南部に移動し、同月末に豪州に帰国したという。警察は滞在中の詳しい行動を調べている。

 英公共放送BBCによると、フィリピン入国管理局は、父親がインドのパスポート、息子が豪州のパスポートを使用し、目的地を南部ミンダナオ島の主要都市ダバオと申告して入国したと明かしたという。

 ミンダナオ島では2017年、ISに忠誠を誓う武装勢力との戦闘を受けて戒厳令が敷かれたことがあり、その後もIS賛同者が潜伏しているとされる。比当局も、2人の渡航中の行動について捜査しているという。

 事件は14日午後に発生し、少なくとも15人が死亡、約40人が負傷した。容疑者の父親は射殺され、息子は重傷で入院している。現場近くではユダヤ教の祭典「ハヌカ」が開かれており、警察はユダヤ人を狙ったテロと断定している。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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