「ストレス解消でアクセル踏んだ」 三重68キロ超過死傷事故初公判

2025/12/16 18:03 

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 乗用車を68キロの速度超過で運転し、対向車に衝突して60代の男性2人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた被告の裁判員裁判の初公判が16日、津地裁であった。三重県いなべ市の無職、瀬木淳(まこと)被告(40)は「間違いないです」と起訴内容を認め、被告人質問では謝罪した上で「前の日に上司ともめ、ストレス解消のためスピードを出してしまった」と述べた。

 起訴状などによると、瀬木被告は2021年7月30日午前7時55分ごろ、いなべ市藤原町本郷の片側1車線の市道で、法定速度(60キロ)を大きく上回る128キロで乗用車を運転。緩やかな右カーブで車を制御できずに車線をはみ出し、対向してきた軽ワゴン車と正面衝突した。この事故で、運転していたいなべ市の男性(当時64歳)を死亡させ、同乗の60代男性に重傷を負わせたとされる。

 検察は冒頭陳述で「被告は日ごろから仕事でストレスがたまった時に高速で車を走らせてストレスを発散させており、上司から注意されたこともあった」と指摘。「事故時には現場のカーブを曲がる5秒前からアクセルをほぼ全開で踏み込み一度もブレーキを踏んでいなかった」と明らかにした。

 被告と被害者側の間では示談が成立。しかし、証拠調べでは「ことの重大さを理解し、刑務所に行って反省してほしい」とする死亡した男性の妻の調書が読み上げられた。【長谷山寧音】

毎日新聞

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